ヤッホー♪けんちゃんです。
インテリ集団であるユダヤ人のバイブル「タルムード」シリーズ、第4弾です!
ユダヤ人は、世界人口の0.25%しか存在しません。しかし、ノーベル賞受賞者のうち20%はユダヤ人であり、世界長者番付(Forbes)にも、ユダヤ人が上位に入ってきます。そんなユダヤ人の家庭で、子どもに読み聞かせされているのが「タルムード」なのです。
※本ブログでは、参考文献として、タルムードを日本語訳した書物「タルムード金言集」を用いています。
今回ご紹介するのは、「あるラバイの、最悪で最良の災難」というお話です!
ラバイ・・・ユダヤ教の宗教的指導者。キリスト教でいう神父、仏教でいうお坊さんのイメージ。
ラバイの身に降りかかる、数々の理不尽。その果てに見たものとは。
あるラバイが、聖書を読むためのランプを持ち、犬と羊を連れて旅をしていました。
夜になって、ラバイは泊まる場所を探しました。そのとき、とある粗末な小屋を見つけたので、そこに1人で泊まることにしました。さて、ラバイが聖書を読もうとしたところ、ちょうど自分が持っていたランプの明かりが消えてしまいました。
暗くなってしまったので、残念ながら聖書を読むことはできません。仕方がないので、ラバイは、今日は早く眠ることにしました。
この夜は本当に、悪い出来事が続きました。自分が連れていた犬が毒虫に噛まれて死んでしまったのです。
その上、同じく自分が連れていた羊も狼に食べられてしまいました。朝になり、ラバイは空腹の状態で小屋を出ました。乳をくれていた羊はもういません。
(ここで一旦、ラバイの状況を現代バージョンに置き換えてみます。ラバイが持っていた「ランプ・犬・羊」というのは、現代人の財産の象徴です。そして、ラバイが出くわした災難は、現代でいうところの「朝の満員電車の中で立ち往生。会社に遅れると思って電話しようとしたら、ちょうどスマホの充電が切れて、会社に連絡できない。やっとこさ駅に着いたと思ったら、財布をスられていて、現金やクレジットカード、運転免許証がすべてなくなってしまっていた」。こんな感じでしょうか。ここまで災難が続けば、誰でも落ち込みますよね。さあ、そんなボロボロの状況下で、ラバイはどんな光景を見るのでしょうか。)
なんてひどい出来事なんだ、と思いながらラバイは歩いていました。しばらくすると、とある村に行きつきました。しかし、その村では、人が全く見当たりません。
「これはどういうことだ?」とラバイは疑問に思いました。よく見てみると、あちこちで村人が惨殺されていました。実は昨晩、盗賊が村にやってきて村人を皆殺しにし、金品や食料を奪って逃げて行ったのです。
そのことを知り、ラバイはこう思いました。「もしランプの明かりが切れていなかったら、私は盗賊に見つかって殺されていただろう。もし犬が生きていたら、キャンキャン吠えたことで盗賊に見つかり、私は殺されていただろう。同じく羊が狼に食べられていなかったら、騒いだことで私も見つかっていたに違いない。」と。
そして、ラバイは悟りました。「自分に振りかかる不幸な出来事は、神がそれ以上の不幸な出来事に私が遭遇しないために、引き起こしているのだ。」と。
これでお話はおしまいです。この物語が伝えていることはズバリ、「今の辛い状況は、もっと悪い状況の防波堤になっている」ということです。
理不尽に屈しないための「認知行動療法」
皆さんは、毎日の中でどんなことをストレスに感じていますか 。朝の満員電車でしょうか 。今の業務が気に入らないことでしょうか 。
不条理を手なずける人は、それらを全て「もっと悪い状況に陥ることの防波堤になっている」と考えます。より正確に言うと、そのように考える「努力をする」のです。これはかなり苦しいことです。
しかし、そうでもしなければ、理不尽にまみれた世の中で自由を勝ち取ることはできません。満員電車が辛いとしても、今の業務に不満があるとしても、それは仕事がなくなり、一家が路頭に迷うことの防犯堤になっているのかもしれません。
もちろん、嫌な業務を無理して続けるというのは、僕も反対です。
しかし、経済的自由を目指す上では、どうしても「嫌なことをして、 元手を作らないといけない」という初期段階が存在します。
ここで 、今の状況を再評価(リアプレイザル)できるかどうかが、長期間にわたって努力と工夫を続けていけるかどうかの分かれ道になるのです。
ここで、メンタル改善法である、認知行動療法のテクニックを3つ紹介したいと思います。これらのテクニックでは、自分をいたわること(セルフコンパッション)なども関わってきます。
1つ目は、「自分の大切な人が災難に見舞われて落ち込んでいたら、なんと言葉をかけるか考える。そして、同じ言葉を自分にもかけてあげる」というテクニックです。
何か失敗をしたとき、人間は自分を責めてしまうことがあります。しかし、それでは逆効果です。
そこで、もし自分の大切な家族や友達が同じことで落ち込んでいたら、どう励ましてあげるかを考えてみましょう。きっと、お前はダメなやつだ、と罵ったりはしないはずです。
これを利用したセルフコンパションの技「自分の大切な人にかける言葉を、自分にもかけてみる」というメンタルケアを、ぜひ試してみてください。
2つ目は、災難をユーモアに変えるということです。「あのお笑い芸人がこの失敗をしたら、どんなリアクションをするだろう。」などと考えてみてください。
例えば、「中田敦彦さんがこのミスをしてしまったら、どんなリアクションを取るのだろうか。あの人なら、笑い話にしてしまうのだろうか。」というように。ここでポイントとなるのは、「不幸な出来事を真剣に捉えず、上手に無関心になる」ということです。
不運を重く捉えてしまうことはメンタルを病むことに繋がりますから、軽いノリで受け流すことを覚えるのです。例えば、ハッピーバースデーの歌に乗せて、自分のネガティブな感情を言ってみたり。自分がよく観ているアニメのキャラクターの声を真似て、自分の状況を言葉にしてみたり。そうやって、物事をコミカルに捉える努力をすることで、塞ぎ込んでいた気持ちが楽になることがあります。
3つ目は、徹底的に悲しんで筆記開示(8〜20分)をすることです。
本当に悲しいことがあったときは、時間を決めて徹底的に悲しむことも、 1つの手です。何時から何時までは落ち込む時間だと決めていれば、他の時間は、状況を好転させるための行動に繋げることができます。
そして、悲しむ時間内では、筆記開示を行って自分の気持ちや状況を紙に書き出すことで、メンタルにプラスの効果があります。その際、僕は部屋の明かりを暗くすることをお勧めします。
暖色の光が少しだけ点いた暗い部屋で筆記開示を行うと、人間はクリエイティブになります。それによって、どんどんペンが進みます。この方法は僕もよく実践しています。ポイントは 、8分から20分の間は決して手を止めないことです。
もし何も浮かばないなと思ったら、「今、何も浮かんでいない」と紙に書くのです。このようにして、 8分から 20分の間はペンを動かし続けてください。これが筆記開示の鉄則です。
このようにすれば、少しずつですが、自分の落ち込んでいる感情と距離を置けるようになります。ネガティブな感情と距離を置くことは、ディフュージョンというテクニックです。ディフュージョンを使いこなせるようになれば、行動を感情から切り離し、再起を図ることができます。
人間は、感情が湧き上がってくるのを止めることはできません。しかし、ネガティブな感情になった後で、どう行動するかを変えることはできます。皆さんも「リアプレイザル・セルフコンパッション・ディフュージョン」という「メンタルハックの3種の神器」を使いこなし、不条理に屈しない人生を手に入れてください。
おわりに
いかがでしたか 。この世の中は、辛いことで溢れています。
そんなとき、他人から「今起きている悪いことは、もっと悪いことに対する防波堤になっているよ。だから希望を持って!」なんて言われると、「こっちはこんなに辛いのに。そんな簡単に言うな!」と思うかもしれません。最後に、そんな方々に向けて精神論抜きの具体的なアクションプランを提示したいと思います。
それは、「住む場所・付き合う仲間・時間の使い方・お金の使い方」4つを変えることです。 何かがうまくいっていないのであれば、今やっていることを変えるしかありません。そうやって変化していくことが、これからの自分の状況を好転させる打開策となるのです。そして、変化を続ける中でまたくじけそうになったら、「自分が持っているものを数える(←形のないものを推奨)」ようにしてください。
あなたが絶望的な状況にいても、美味しいご飯が食べられるだとか、家族や友達がいてくれるだとか、小さな幸せは(見落としているだけで)確実に存在しているはずです。ぜひ、状況を白か黒かで捉えるのではなく、暗闇の中に星を探す習慣をつけてみてください。
この記事を読んでくださったあなたが、メンタルの波をサーフィンし、どんな困難が来ても乗りこなしていける強さを手に入れられることを願っています。
どうぞよしなに☺️
(参考文献)
コメント